みなさんは、引退して種牡馬になった馬に
会いに行かれたことはありますか?
昨年の秋に、私は初めて牧場めぐりをしました。
そこで、たくさんの懐かしい名前の馬たちに
会うことができました。
今回は、その時に感じたことを、お話しさせていただきます。

たくさんの牧場を見学したのですが、その中で
日高軽種馬農協門別種馬場で
ミホノブルボンに会うことができました。
ブルボンは、皐月賞とダービーを逃げ切った馬なのですが、
私の中に強烈な印象として残ってしまったのが
あの三冠かけた菊花賞のほうでした。
あの時は、ライスシャワーに敗れ、2着でした。
そのことが今でも悔しくて・・・
ブルボンといえば、悔しかった馬、などという記憶が
いつも蘇ってきていました。
本来なら、強い逃げ馬、など讃える記憶が出てきて良いはずですが
どうしても・・・

歳をとったブルボンは、現在は種馬として、
のんびりした時間が流れる毎日を過ごしています。
私がブルボンの写真を撮っていたら、
手が届いてしまいそうなくらい近くまで寄って来てくれました。
その時も私はずっと、あの三冠かけた菊花賞のことを考えていました。
それだけで涙が溢れてきてしまいました。

しかし、ブルボンはひたすら草を食んでいました。
そんなブルボンを見つめていたら、なんだか急に
馬に対して、昔の記憶なんかどうでもいいのかもしれないと
思ってしまいました。
今も、彼はまだ元気に生きていて、ここにいる。
そして、こうやって会うこともできるのです。
昔のことなんかもう忘れたよ、
とブルボンが言っているようでした。

私たち人間は、毎週の競馬の結果に一喜一憂して
強い馬をヒーローとして祭り上げ、
気に入った馬を追いかけたりしていますが、
馬にとっては、そんなことはどうでもいいのかも知れませんね。
一体、馬自身は勝負について、どのように認識しているのでしょう・・・
何の因果か、競馬であんなに走らされている彼等。
いつも何を考えているのでしょう・・・




                                 BACK