10年前の足尾精錬所周辺  

「公害」と足尾銅山

 「足尾銅山」で産出された銅は、全国産出量の40パーセントを超え、日本一の銅山として日本の産業発展に大きな貢献をした反面、日本で初めて公害が発生したところとして「公害の原点」と言われるようになり、今も話題になっています。足尾の公害というと渡良瀬川の公害がよく取り上げられますが、それとは別に、昔の精錬所の煙突から出る煙(亜硫酸ガス)の害は、足尾の地元民にとっても大変な苦しみであったわけです。この煙害は明治の中頃から昭和30年頃まで続きました。毎日のようにもくもく出る煙は、風の向きによっては全町をおおったりしました。精錬所の近く野山の草木は煙害で新しい目が育ちにくくなって、山には1本の木も草も生えなくなり、それこそ、「はげ山」になってしまいました。
 現在、この「はげ山」をもとの緑にもどす、大がかりな工事が進められています。そのおかげで、次第に山肌に緑が増してきているようすがよくわかります。これらの写真は今から10年ほどの前のものですが、このように「公害の原点」といわれた足尾は、新たに緑豊かな町として生まれ変わろうとしています。現在はもっと緑が増えています。現地へ行ったら注意してみてみましょう。

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