肺の病気
中心型肺がん
肺は、中央の太い「気管」と、気管が左右に枝分かれしてできた「気管支」、そして、気管支の末端部分に、ブドウの房のように寄り集まった、球形の「肺胞」で構成されています。この中で、気管と、細かく枝分かれする前の比較的太い気管支にできるがんを「中心型肺がん」といいます。肺がんは、がん細胞のタイプによってもいくつかに分類されますが、中心型肺がんに多いのは「扁平上皮がん」という種類です。これは、皮膚の組織のように扁平な形をしているがん細胞です。このがんの発生には喫煙が深く関係しています。 中心型肺がんは自覚症状があるのが特徴で、比較的早期でも、「席」「痰」「血痰」などの症状がでます。ただ、この症状がかぜによく似ているため、前記のような症状がいつまでも続き、かつ、熱や鼻水といったほかのかぜの症状がない場合には、中心型肺がんの可能性も考えられます。
末梢型肺がん
枝分かれして細かくなった気管支や、その先端にある肺胞にできます。がん細胞の種類では、「腺がん」が中心になります。
がん細胞の構造が、ちょうど腺(唾液などの液体を分泌する組織)のような形をしているため、この名があります。腺がんの発生原因は、まだよくわかっていません。末梢型肺がんは、肺の奥の方にできるため、早期には自覚症状はほとんど現れません。そのため、発見が遅れるケースがあります。