新・動物村物語
作 木島英恵
主人公: ポチ君・ラビちゃん・ピーちゃん
その他: チュータ君 ニャンコちゃん コンコンちゃん タヌ君 ペン子ちゃん キッキ君 パオパオ君
目次
前書き
(1)遊び公園へ行くぞぉー!
(2)転校生が来たぁー!
(3)ラビちゃんのカゼ
前書き
動物村には、不思議な生物がたーくさんいます。しかもそこは、広大な大地が広がっていて、科学と、魔法が、とてもさかんです。でも、木や植物も、みんな助け合って生きています。地球の生物とは、ちがっていて、みんな共通の言葉を、使っています。
さあポチ君達の通っている学校は、わんわん学校・・・・。犬ばかりの時代に、作られた学校です。さてこの学校は、このおーおきな動物村にたった1種類の、学校です。数はともかく、たーくさんあります。(組も・・)
さあ不思議でいっぱいの動物村へレッツゴー!!
(1)遊び公園へ行くぞぉー!
ポチ君は、3才の子犬です。今日は、わんわん学校がお休み・・・・。昨日(きのう)は、特に帰る時間がはやかったので、遊ぶ約束は、していませんでした。
お姉さんのクッキーは、じゅくだし、弟のビスは、すやすやお昼寝・・・。遊びたがりやのポチ君は、ラビちゃんたちと、遊びたくてしょうがありません。
「あーあ。」
ポチ君がため息をついたとき電話が鳴りました。
「トゥルルルルル、トゥルルル・・・」
「はーいポチです。どなたですか?」
「あら?ポチ君?私ラビよ。」
「ラビちゃん?」
「遊びましょ。」
「うん。いいよ。」
「遊び公園ね。じゃっ」
どうやらひまな時間を過ごせそうです。着替えてから、さあ出発・・・・!
「ウギャァァウギャァァ」
ああっビスが起きてしまいました。ビスは、1人じゃ何にもできないし、このまんま行ってしまったら、何をしでかすかわかりません。 しょうがないので、ビスも、一緒に連れていくことにしました。
鍵をかけて外に出ると、気持ちのよいそよ風が吹いてきました。ポチ君は、いい気持ちになりながら遊び公園に着きました。
「ポーチくーん。」
ラビちゃんと、ピーちゃんと、ニャンコちゃんと、チュータ君がやってきました。
「何して遊ぼうか?」
「かくれんぼなんてどう?」
「さんせーい!」
「じゃんけんしよう。」
「じゃんけんぽい!ラビちゃんがおにだぁー」
「1、2、3、4・・・・・・8、9、10!いくぞぉー」
ニャンコちゃんも、チュータ君も、すぐ見つかってしまいました。かくれている場所は、ポチ君がすすきの陰ピーちゃんが・・・、
「ポチ君みーつけた!」
とうとうポチ君まで見つかってしまいました。
「よーしピーちゃんも見つけるぞぉー」
カァーー カァーー (これは、カラスの鳴き声)
でも夕方になってもピーちゃんは、見つかりません。
「ピィーちゃーん」
「ピィーちゃーん」
ポチ君がいっしょうけんめいになって呼んでいると、ラビちゃんが合図しました。どうやら見つけたようです。すぐに行ってみると、小さな木の下でピーちゃんがすやすやと、寝てました。そのあと、ポチ君達はピーちゃんを家まで送りに行きましたがピーちゃんのお母さんは目をまんまるにしていました。
(2)転校生が来たぁー!
今日は、新しいお友達が来る日なのでそのこたちのことをせつめいします。 いつもより少ししずまりかえった教室のなかで、ポチ君とチュータ君がおしゃべりをしています。えーッとなになにー。?!
「ねぇー。しってる、ポチ君。」
「なーに?」
「転校生が、来るんだってさ。」
「へぇー」
「女の子と、男の子なんだってぇー。だから、ポチ君もてるかなぁー。とおもって・・・。」
「そ・・そうかなぁ・・・・。」
そう言い終わったとき、「がらっ」とドアが開いて、先生と、・・・かわいい犬の女の子と、いかにも強そうな、うさぎの男の子が入って来ました。
(うわあー。強そう・・・・。)
先生が、
「この子がレディーちゃん、そのこが、ラヴィー君です。みんな仲良くするんですよ。」
「はーい」
みんなが返事をしました。
すると先生が2人をポチ君と、ラビちゃんの、後ろの席へ座らせました。
1時間目は、算数です。
黒板に先生が『三十一×三=』と書きました。ふつうだと頭のいいコンコンちゃんや、たまーにポチ君達が手を挙げるのですが今日は、転校してきたばかりの、レディーちゃん達が張り切って手を挙げています。先生がレディーちゃんを指しました。
「答えは、九十三です。」
「ピンポン ピンポン大せいかい!よく分かったわねぇ〜」
ポチ君びっくりしています。 だってあの問題じゅくで出てきて、すご〜くむずかしかったからです。
二時間目も、三時間目も、四時間目も、終わり、給食の時間のことです。
「ラビちゃん今日遊べる?」
「ううーん、遊べない」
「どうしてあそべないの?」
「ラヴィー君と遊ぶの。初めてだから・・・。」
「ふぅーん・・・。」
けっきょくポチ君は、その日遊べませんでした。
そんな日が毎日続き・・今日は、六月一日。 ポチ君の誕生日です。クラス全員呼んでいます。ケーキもお母さんの手作りで、一十こも、あります。ラヴィー君も、もちろんきています。ポチ君がラヴィー君と一緒にケーキを食べていると、ラヴィー君がいいました。
「今度一緒に遊ぼうな」
ポチ君は、うれしくなって、
「うん!」
と元気に言いました。 嫌われていたと思っていたのに・・・嫌われたままじゃなくてよかった。あっ そうそうピーちゃんのことですが今回だけは、出番がなくておこっていたそうですよ。
(3)ラビちゃんのカゼ
さあ今日は、わんわん学校の遠足です。各クラスがみんなで決めるのです。ポチ君達が行くところは、お菓子の国です。お菓子がたくさんあって自分たちでも作れます。 それを何より楽しみにしているのがラビちゃんです。
前から
「ポチ君に、クッキーを作ってあげるわね。」
とか、お菓子の作り方の下手なレディーちゃんに、
「作り方を教えてあげるわ」
とかなんだかんだ言ってます。 ポチ君も、お菓子を入れる袋をたくさん持って
「自分の作ったお菓子を入れようだ」
とか、
「ピーちゃんの型を作ってチョコレートを作るんだ。」
とかいう考えでいっぱいです。
ポチ君は、そういうことを考えながら、キラキラ光りながらゆれている林のおくの細道を歩いていました。今日は、ラビちゃんと、一緒に行く約束をしているのです。
この角を曲がってカモの川をわたれば、待ち合わせの場所です。が・・・、「あれー?」 カモの川のベンチは、ガラッとしていて誰もいません。カモの川は昨夜の雨で水が増えています。
待っていても、つまらないのでポチ君は、直接ラビちゃんの家に行くことにしました。ラビちゃんの家に着いて、
「おはよーございまーす!」
とポチ君がいうと、
「おはよー」
と、ラビちゃんがいうかわり、
「ゴホン!ゴホン!」
というへんてこな返事が返ってきました。
すると、ラビちゃんのお母さんが出てきて、
「ごめんなさいね、ラビかぜひいちゃって・・・、あんなに楽しみにしていたのに・・・。これ先生に渡してちょうだい。」
と、欠席届を出しました。
「ほーんと、あんな張り切ってたのに・・。」
ピーちゃんにそのことを話すと、ピーちゃんも、
「おしいよねー。」
といってポチ君の手のひらに乗りました。
一方ラビちゃんの方では・・・。
「ゴホン!ゴホン!」
38.5度の熱のラビちゃんは、くやしさと、悲しさでいっぱいです。
(あんなに楽しみにしていた遠足がこんな熱でいけなくなるなんて・・・。)
本当は、もっと食べれるはずだったお菓子を見つめながら、今度は光が射し込んでくる窓を見ました。
「あっ。」
窓から小さなアゲハチョウが1匹ラビちゃんの部屋に飛び込んできました。そのアゲハチョウは、弱っているらしくふらふらと、下に落ちてしまいました。
ラビちゃんは、そのアゲハチョウをそっと手のひらに乗せて、またそっとお皿の上に置きました。そして今度は、お見舞の花を持ってきて、そこに置きました。
しばらくすると、アゲハチョウは元気になりました。ラビちゃんは、アゲハチョウに、「ルル」という名前を付けて、指の上にのせたり、窓の枠に蜂蜜をおいたりしてかわいがっていました。
お母さんが来たときは、もちろん箱の中に入れたり・・・。「ルル」は、ラビちゃんになついて、ちゃんとお母さんが来たときは、箱の中に入り、手を出すとかならずとまったりおりこうです。 ポチ君達が、遠足で遊んでいる間、ラビちゃんは、「ルル」と楽しい時間を送っていました。
でも、お母さんは「なんかおかしいわ。」と思っていたのでしょう。そっと、窓からラビちゃんの部屋をのぞいてみました。 するとどうでしょう! 蝶とラビちゃんが遊んでるのです。びっくりしたお母さんは
「まあ!ラビちゃん!」
と、さけんでしまいました。
蝶は、びっくりして、窓の外へ飛んでいってしまいました。
「ああぁー」
さすがにお母さんも、悪いことをしたなと思ってあやまりましたが、ラビちゃんは、
「いいの。」
と言ってばかりでボケーっとしていました。
3時になったとき、ポチ君達は、帰ってきました。手には、もちろんお菓子がいっぱい・・・ラビちゃんにあげる分もあります。
ラビちゃんの家に着きましたが、もう「ゴホンゴホン」なーんて聞こえません。ポチ君は、よかったなぁーと思いました。
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