私は基本的に性善説を信俸しており、そのため、できるだけオープンに情報発信をしているつもりです。
私の性善説はちょっとかわっていて、「人間は誰もが、もっと賢くなりたいと思っている」というものです。すなわち、「去年より今年、あるいは、入社時点より今、賢くありたいと考えている」とか、「最初は言われたとおりにやるだけであっても、次第に、小さなことでも良いから自分で判断できるようになりたいと考えている」とか、「そのためには、背景や理由、他の選択肢を採用しない理由など、様々な情報に接したいと考えている」と思うのです。
だから、私は、できるだけオープンに情報や考え方を開示して、みなさんと共有したいと考えています。
もし、上層部だけが情報を持っていて、上層部だけで判断して、決めたことだけを「下に降ろす」ようなら、いわゆる「下」は賢くなりたいという欲求を満足できません。そして同時に、上層部も、より賢くなるチャンスを生かしていないのです。
上層部だけが情報をオープンにするのは、実は勇気が必要です。もしかすると批判を受けるかも知れないし、「こういう背景があるのに、あんな判断するなんてバカじゃない」などと思われてしまう恐れもあるかも知れません。ですから勇気が必要なのです。
しかし、この勇気は、自分自身と組織が、より賢くなるために絶対に必要なものなのです。
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2006年12月5日 「最強軍団の夢」
私はまだ、当社での社歴、5年強です。その前の会社に20年以上いました。
前の会社にいた時、私が30才の頃なので20年も昔になりますが、私の最大の自慢話として、最強軍団を作ったという話をさせて下さい。
チームは私を入れて8名。新入社員もいて、言わばシロウト集団に近いものがありました。仕事はシステム設計で、金融機関にとっての有価証券管理業務を、ある意味で業務改革し、システムを使いながら進めてゆく青写真を描くというものでした。
チームのリーダーは最年長の私、30才。後は全員が20才代。
私は第一に、みんなが担当ごとにバラバラにやっていた業務のうち、それぞれの良い所を発見して、その部分については全員が同じ方式を採用するという標準化に着手しました。それぞれ自己流であったものを横断的にチェックし、良いやり方を他にも広げ、徹底するということ。
第二に、なかなか良い所がない部分については、私自らが勉強しながら手本を作り、みんなの意見を聞きながら標準化をさらに広めたということがあります。
これらのことをすべてオープンにし、何事をも隠さず、すべての課題ならびに解決の過程をみんなで共有しました。
このチームが作る文書には必ず青色マーカーで線を引いたことから「青組」という名前が自然につき、1ヶ月ごとにメンバーの成長、そして私自身の成長が手に取るようにわかりました。いつしか、周囲から最強軍団という最高の呼ばれ方をするようになりました。
最強軍団の最大の効果は、人材育成にありました。メンバー8名は、その後様々な分野で活躍し、今では会社もバラバラになっていますが、時折集っています。
当社の中にも、いくつもの最強軍団を生み出し、会社全体が1つの最強軍団となることが私の夢です。
2006年12月13日 「マネジメントのコツ」
私は少年サッカーのコーチを週末、ボランティアでやっています。ここから教訓をひとつ。
試合の時など、子供に掛ける声を次の2つだけにしています。すなわち、「スゴイ!」と「オシイ!」だけ。
特に応援に来ている母親の中には、「バカ!」「走れ!」「何やってんのよ!」といった罵声を出してしまう人がいますが、こういった応援団にも「スゴイ!」と「オシイ!」だけにして下さいと頼んでいます。
メンバーが何かに挑戦しようとした時、結果が良ければ「スゴイ!」であり、結果が悪ければ「オシイ!」なのです。
挑戦しようとした意思や姿勢には問題がないわけですから、叱る必要はありません。アプローチを間違ったり、配慮が足りなかったりした時、それに事前に気がつけば良かったねという意味で「オシイ!」なのです。
「スゴイ!」と「オシイ!」だけを使い続けることで組織は変わってゆきます。
「スゴイ!」も「オシイ!」も出ない状況でも我慢してもらって、決して、「ヤレ!」とか「フザケルナ!」とか「やる気がないのかオマエらは!」とかを出さずに、「スゴイ!」と「オシイ!」が出る状況まで待ちましょう。
飯田橋のテレセンの壁には、ハートマークとドクロマークが並んでいます。ハートマークはお客様から頂戴した「ありがとう」に対するものなので、「スゴイ!」に相当します。ドクロマークは残念ながらもらっちゃったクレームなので「オシイ!」に相当します(オシクないものもあるかも、だけど)。
「スゴイ!」と「オシイ!」は組織を明るくすることだけは、間違いがありません。
2006年12月19日 「年に1回」
年に1回は、自分のことをじっくり考えて下さい。
「来し方(こしかた)」すなわちそれまでの自分が歩んできた道と、
「行く末(ゆくすえ)」すなわちそこから自分が歩むであろう道のことを。
そのタイミングは、年末年始でもよいし、自分の誕生日でもよいし、入社日とか子供の生まれた日とか、何であっても構いません。
ちなみに私の場合は、
12月8日 ジョン・レノンの命日
12月9日 夏目漱石の命日
にちなんで、8日の深夜から9日の未明にかけて、です。
2006年12月28日 「健康管理」
ノロウィルスやインフルエンザの対策も重要ですが、せっかく会社が「業務改革」を進めているので、対症療法ではなく構造的な問題である「体質改善」についてお話したいと思います。
今回の話の「切り口」は、生物学的アプローチであり、進化の観点から考えてゆきたいと思います。
サルから進化したヒトは、数百万年にわたって、いわゆる原始人の生活をしてきました。洞穴を住居とし、狩猟採集によって食物を得てきたのです。それがここ数十年で全く環境が変わってしまった(先進国の都市部で特に、ではありますが)。
人類が生きてきた環境は、数百万年にわたって、
1)食物を得るのは容易ではなかった=運動ナシには食物にありつけなかった
2)好き嫌いを言っている余裕はなかった=偏食は許されなかった
3)加工に大きな時間とエネルギーを使う余裕はなかった=調理方法は簡単だった
こういった条件のもとで数百万年生きてきた人類にとって、現在の変化はあまりに急激すぎます。すなわち、人が健康であろうと思ったら、もう少し、原始人に近い環境に自らすすんで変えていかねばならないと思います。
例えば、若い男性が陥りがちな偏食には「ある種のモノばかり食べている」というものがあります。ラーメンばかり、カレーばかりなど。油を多用し、調理に長時間の手間をかけることによって「食べやすくなっている」この種のメニューばかり食べていると、その後、典型的なモテない中年男性になることは間違いありません。油顔・二重アゴ・口臭・腹部突出に向かって一直線で疾走しているようなものです。もちろん病気になりやすくなるでしょう。
一方、若い女性が陥りがちな偏食には「ある種のモノを避けるような食生活」が多いように思います。つまり、カルシウムや鉄分が不足する食生活。小魚や牛乳、レバーやほうれんそうを避けるような食習慣は結構あるんじゃないかな。
食事と同様に大切なことは適度な運動です。
女性の中には、摂取カロリーを減らすだけで運動をしない「ダイエット」で美貌向上に向けて頑張っている方も多いかと思いますが、これはダメですね。原始人で言えば、食べ物が取れなくなったので運動できなくなり、運動できなくなったから食べ物が取れなくなったという悪循環に入っているようなものです。それに、運動しないで摂取カロリーを減らすだけだと、体力が地球の重力に負けつづけ、上半身が貧弱になりながら下半身は細くならないという結果になり、体重が減っても美貌が向上しないという結末を迎えることになります。
いずれにせよ、健康管理も仕事のうち、というよりも、幸福を維持・継続・向上するための必須条件でもありますよね。
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