保険業法施行規則(平成8年2月29日大蔵省令第5号)


第53条の6の2(特定取引勘定)

保険会社は、特定取引を行う場合であって、次に掲げる要件のすべてに該当するときは、特定取引及び特定取引の対象となる財産をその他の取引及び財産と区分して経理するため、特別の勘定(以下「特定取引勘定」という。)を設けなければならない。この場合において、当該要件のいずれかに該当しない保険会社又は当該要件のいずれにも該当しない保険会社が特定取引勘定を設けることを妨げない。

直近の期末の前の期末から直近の期末までの間における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額のうち最も大きい額が、1000億円以上であり、かつ、直近の期末の前の期末の総資産の10%に相当する額以上であること。

直近の期末における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額が1000億円以上であり、かつ、当該期末の総資産の10%に相当する額以上であること。

2.

前項の特定取引とは、保険会社が金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標(第5項において「指標」という。)に係る短期的な変動、市場間の格差等を利用して利益を得る目的又は当該目的で行う取引により生じ得る損失を減少させる目的で自己の計算において行う市場デリバティブ取引及び外国市場デリバティブ取引のうち有価証券関連デリバティブ取引に該当するもの以外のもの並びに次に掲げる取引をいう。

有価証券の売買(国債等(国債、地方債又は政府保証債(政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。以下同じ。)をいう。以下この条において同じ。)、金融商品取引法第2条第1項第4号、第5号及び第8号(定義)に掲げる有価証券(同項第6号及び第5号に掲げる有価証券にあっては、法第98条第6項第1号に掲げる短期社債、同項第4号に掲げる短期社債及び同項第5号に掲げる特定短期社債に係るものを除く。以下この号において「特定取引債券」という。)又は外国若しくは外国の法人の発行する証券若しくは証書で国債等若しくは特定取引債券の性質を有するものの売買並びに同法第28条第8項第3号イ及び第4号イ(通則)に掲げる取引に限る。)及び有価証券関連デリバティブ取引(同項第3号イ及び第4号イに掲げる取引並びに第14号及び第15号に掲げるものを除く。)

国債等の引受け(国債等の発行に際して当該国債等の全部又は一部につき他にこれを取得する者がない場合にその残部を取得する契約を締結する取引に限る。第5項において同じ。)

金融商品取引法第2条第1項第4号に掲げる有価証券(法第98条第5項に規定する特定短期社債に係るものを除く。)、同法第2条第1項第8号及び第13号に掲げる有価証券並びに同項第5号に掲げる有価証券(短期社債に係るものを除く。以下この号において同じ。)及び同項第17号に掲げる有価証券(同項第4号に掲げる有価証券の性質を有するものに限る。)で金融商品取引法施行令第15条の17第1項第2号(短期社債に類する有価証券等)及び同条第3項に規定する有価証券(以下この号及び第5項において「資産対応証券」という。)の引受け(資産対応証券の発行に際して当該資産対応証券の全部又は一部につき他にこれを取得する者がない場合にその残部を取得する契約を締結する取引に限る。第5項において同じ。)

金銭債権(第52条第1号、第2号、第4号、第6号若しくは第8号に掲げる証書をもって表示されるもの又は円建銀行引受手形(銀行その他の金融機関が引受けを行った貿易に係る為替手形のうち、本邦通貨をもって表示されるものをいう。)に限る。)の取得又は譲渡

四の二

短期社債等の取得又は譲渡

店頭デリバティブ取引(金融商品取引法第2条第22項に規定する店頭デリバティブ取引をいう。第5項において同じ。)のうち有価証券関連デリバティブ取引に該当するもの以外のもの

削除

先物外国為替取引

削除

削除

商品デリバティブ取引

十一

第52条の3第1項第2号に掲げる取引

十二

削除

十三

第52条の3第1項第3号に掲げる取引

十四

法第98条第1項第10号の規定により行うことができる有価証券関連店頭デリバティブ取引(同条第9項に規定する有価証券関連店頭デリバティブ取引をいう。)

十五

法第99条第1項の規定により営むことができる業務に係る有価証券の売買又は引受け及び有価証券関連デリバティブ取引

十六

法第99条第2項第4号に掲げる業務に係る算定割当量の取得又は譲渡

十七

前各号に掲げる取引のほか、当該取引又は市場デリバティブ取引及び外国市場デリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)に類似し、又は密接に関連する取引

3.

特定取引勘定設置会社は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第85条第3項第5号に掲げる書類に記載された事項の範囲内で行う場合は、この限りでない。

特定取引勘定に属するものとして経理された取引又は財産を特定取引勘定以外の勘定に振り替えること。

特定取引勘定に属するものとして経理された取引又は財産以外の取引又は財産を特定取引勘定に振り替えること。

4.

前項の行為には、1の保険会社において、特定取引勘定とその他の勘定との間で行う第2項第1号から第4号の2まで及び第15号に掲げる取引(当該取引に類似し、又は密接に関連する取引として同項第17号の規定により特定取引とされる取引を含む。)を含むものとする。

5.

特定取引勘定設置会社は、特定取引のうち事業年度終了の時において決済されていないものに係る利益相当額又は損失相当額の計算については、次の各号に掲げる取引の区分に応じ当該各号に定める額とする等、その会計を適正に処理するために必要な措置を講じなければならない。

市場デリバティブ取引及び外国市場デリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。) 金融商品取引所又は外国金融商品市場における事業年度終了の日の最終価格により取引を決済したものとした場合に授受される差金に基づく額又はこれに準ずるものとして合理的な方法により算出した額

店頭デリバティブ取引(金融商品取引法第2条第22項第3号、第4号及び第6号に掲げる取引並びに有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)及び先物外国為替取引 当該取引により当事者間で授受することを約した金額(事業年度終了の日において未確定の場合は、指標の予想される数値に基づき算出される金額)を合理的な方法により事業年度終了の日の現在価値に割り引いた額

店頭デリバティブ取引(金融商品取引法第2条第22項第3号及び第4号に掲げる取引に限り、有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)及び第52条の3第1項第3号に掲げる取引 当該取引の事業年度終了の日の現在価値として、権利の行使により当事者間で授受することを約した金額(事業年度終了の日において未確定の場合は、指標の予想される数値に基づき算出される金額)、事業年度終了の日の当該権利行使に係る指標の数値及び当該指標の予想される変動率を用いた合理的な方法により算定した額

選択権付債券売買(当事者の一方が受渡日を指定できる権利を有する債券売買であって、一定の期間内に当該権利が行使されない場合には、当該売買の契約が解除される取引をいう。)、国債等の引受け、資産対応証券の引受け、店頭デリバティブ取引(前2号に掲げる取引に該当するものを除く。)及び商品デリバティブ取引 前各号に掲げる額に準ずるものとして合理的な方法により算定した額


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