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第18章 社会信用通貨メカニズム


これまでの章において、経済システムを正し、生産を消費者に奉仕させるために、全く効率的である生産形態を変える必要性が全然ないということを前提としているかも知れない。生産が提供する能力のある限り、消費者が生産から望むものを請求する手段を消費者に与えることだけが必要である。

この目的のために、お金を生産の実態と整合させて、そのお金を消費者に奉仕させるための通貨システムの調整を、社会信用は求めるものである。

仕事に対する報酬、すなわち労賃や給料を通して、あるいは市場での生産品の販売を通して、更にまた投資から得られる収入を通して、ある量のお金は既に消費者に到達している。しかし、提供されている生産品の総量を買うための十分な購買力総額がいつも消費者に保証されている訳ではない。その上、そのお金はその起源において負担を掛けられていて、生産能力の持続性とは全く無関係に持続時間という負担を掛けられているに違いない。

社会信用教義を思い付いたスコットランドの技術者であるクリフォード・ヒュー・ダグラスによって明確に述べられた通貨に関する提案は、衝突を起こさず、現行の生産方法を混乱させず、生産の刺激剤となる利益の追求を抑圧せず、個人の自由を最小限しか害さず、国家によって経済活動が過度に干渉されない通貨システムの有効な修正方法である。

社会信用の通貨に関する提案を総括すると、

1. 国家による通貨の統制

2. 常時、国の本当の富を反映する国家信用口座

3. お互いに補完し合う次の2つの方法による消費のために必要な何らかの新しいお金に対する保証

a) 万民への国家配当という方法であり、生産要因である共有遺産への各人の権利を認めることに相当する方法。

b) 価格調整という方法であり、デフレと同様にインフレを完全に防止するために、提供される生産品と総購買力を間違いなくバランスさせる方法。



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