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前書き

1920年代の初めから今日まで、「国際銀行家」と「ボルシェビキ革命家」の間の繋がりを明らかにするべく、時事問題に関する小論文や新聞記事が多数著わされ、更には少数の書籍も出版された。しかし、繋がりを明らかにしようとするこれらの試みが、動かしがたい証拠によって裏付されていたことは稀であり、そのような試みが科学的方法論の枠組み内で議論されたことは決してなかった。実際、これらの試みにおいて言及された証拠のいくつかは欺瞞的で、いくつかは見当違いで、また多くは確かめようがなかった。なお、学者達はその論題の検証を故意に避けてきたが、それは多分、その仮説が資本家 対 共産主義者という整然とした不一致に反している(そして一般大衆が、彼らは憎き敵同士だと信じて疑っていない)からであろう。更にまた、書かれてきた沢山のことがトンデモ話と隣り合わせであったため、もし、まともに検証しようとしたら、その学者の健全な学究的評判が多数の嘲笑に遭って容易に打ち砕かれ得たからであろう。その論題を避けるべき理由は十分にある。

しかし、幸いなことに、国務省十進法ファイル、特に861.00節によって、その仮説的な繋がりについての広範囲に及ぶ文献による裏付けが可能なのである。これらの公的な書類における証拠が、伝記、個人文書、および既存の歴史書からの非公的な証拠と併合されたとき、本当に魅惑的な物語が浮かび上がる。

数名のニューヨーク国際銀行家とボルシェビキを含む多数の革命家達の間に、繋がりが確かにあったのである。これらの銀行業紳士達(本書内で、彼らが一体誰であるかを明らかにする)は、ボルシェビキ革命の成功において金銭上の利害関係を持っていて、その成功を夢中で応援していた。

誰が、何故 −そして、どれだけの利益のために− がこの本の物語である。

アントニィ・C・サットン

1974年3月

p. 11

 

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