CL50のメンテ日誌 Part1




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2006. 4.30 ネットオークションで購入した CL50 を引き取りに行く

 今日は日曜日、待ちに待った CL50 を引き取りに行く日です。6時起きして7時前の電車に飛び乗りました。これから3時間の電車の旅。行きはよいよい、帰りは怖い。何といってもわずか 50cc のバイクです。写真で見たところ程度は良さそうですが、実際に走ってみないと本当のところはわかりません。たかが 200Km 弱の道のりとはいえ、ちょっとばかり不安。
 いや、バイク自体も不安材料ですが、実は自分の腕のほうがもっと不安。なにしろもう20年くらい二輪には乗ってないのです。いくら大型自動二輪の免許皆伝とはいえ、ブランクが長すぎるかも・・・年寄りの冷や水で大怪我なんてことにならなければいいんですが。

 不安をよそに電車は北へ北へとひた走る。流れる車窓の風景は次第に田舎っぽくなってきました。クルマはちらほらという感じでしか走ってないな。なんかこれなら心配なさそう。でも、たまに見かけるクルマは結構スピード出してるねえ。帰りはこれらのクルマにバンバン抜かれながら走ることになる。ホントに大丈夫かねえ。
 なんで 50cc のスクランブラーなんか買っちゃったのか?せめて 125cc くらいのロードスポーツ(最近はネイキッドとかいうのかな)にしておけば良かったのに・・・そもそもそんなタイプの車種今でもあるのかどうか知らんけど。

 ようやく売り主さんのお宅に到着。CL50 とご対面。うむ、綺麗なもんですね。ピカピカに磨き上げたって感じです。オドメーターもまだ1万キロ行ってません。まあ中古の場合、オドメーターはあてにならないのが常識ですが、バイク自体にヤレた感じが全くないし、フルノーマルのワンオーナーなので、これは信じていいでしょう。9年前に購入したということですが、錆もほとんど目立たないし、とてもそんなに古くは見えません。
 タイヤは前が五分山、後ろはもう山がほとんどない!うむ、二分山くらいかな?この地方は山道が多いので当然エンブレを多用することになるんで、そのせいなんでしょうね。帰ったら、まずリアタイヤは交換だな。

 エンジンをかけてみる。キック一発で始動。耳障りなノイズは皆無!うん、これは「当たり」だ。間違いない。エンジンはまだまだこれからが本調子になるところとみてよさそう。いや遠路はるばるやってきた甲斐があったというものです。思わずニッコリ微笑んでしまうワタシなのでした。
 ガソリンも満タンにしておいてくれたし、バッテリーも割と新しいし、持っていったナンバーもさっさと取り付けてくれて、しかもお茶菓子までご馳走になって・・・何ていい売り主さんなんでしょう。しっかりお礼を言って、さあ出発だ。


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2006. 4.30 Homeward Bound (早く家に帰りたい)

 20年ぶりにバイクに跨り、いざ発進。山道を登ったり下りたり、いやしかしエンブレがすごい。バイクだけ急激に減速して、自分は前に投げ出されそう!ちとオーバーかもしれないが、4スト・シングルのエンブレってこんなに効いたんだっけ。身体がぐわらんぐわらんして、おかしくなりそう。
 やっとの思いで街に出てくると、今度は伸びない伸びない。あっという間に吹けあがるが、スピードはさっぱり(笑)これ、減速比がおかしいんちゃう?後で見てみたけどスプロケはドライブ13T、ドリブン43Tでノーマルのままなんだよね。このままでは街乗りには問題ありですな。

 道がよくわからんので、地図を頼りにおもに国道を走る。だいたい片側2車線。クルマにビュンビュン抜かれる。怖い怖い。後方に大型トラックなんぞが迫ってくると生きた心地しないよ(泣)
 こっちはケーサツも怖いし常識的な?速度でノンビリ走っているんだが、そうすると後続車が怖い(笑)ああ、早く家に帰りたい。ボアアップして2種登録してる人の気持ちがよーくわかりました。やっぱり30Km/h 制限じゃ命がいくつあっても足らんもんね。スピード違反の心配なしで、交通の流れに乗るためには2種登録は必須です(きっぱり)

 やっとの思いで家に到着。あー助かった。まだ命があるぅー。50cc ってこんなに怖い乗り物でしたっけ?昔、原付免許取り立ての頃 50cc で走り回っていたけど、全然怖い思いはしたことなかった。このウン十年で交通事情がまるっきり変わってたのね。
知らなんだ。ああ知らなんだ、知らなんだ。今日はもう疲れた。整備はまた今度。ゆっくり風呂にでもつかりたいわい。


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2006. 5. 3 ぼちぼち整備始めるか

 ああ、まだ恐怖の200Km ツーリングの影響で腰が痛いのお。やはり年には勝てんわい。腰をそーっとさすりながら、ぼちぼち整備を始めるだよ。まずはバイク整備の第一歩、プラグを交換しましょう。



 まあ、だいたいこんな格好のもんですね。型番はNGK CR6HSA です。メーカー指定の標準品。お値段は400〜450円くらい。ちなみに締め付けトルクは 1.2Kgf・m 。てなことを言ってみたところでトルクレンチなんぞ持っておりゃしません。下手にソケットレンチ+エキステンションバーなんか使うと締めすぎてしまいます。ちゃちな車載工具のプラグレンチを使って、じんわーりとワッシャー(パッキン?)が潰れる感覚を楽しみながら締めればほぼOKでしょう。間違っても全力を振り絞らないことですね。

 さてインプレです。えっ何の?ってとぼけてる場合じゃないよ。CR6HSA のインプレでんがな。はい、ほとんど変わりません。終わり。いや、それだけじゃちょっと寂しすぎます。うーん、気のせいか少しだけエンジン音が軽やかになったような気が・・・はい、終了。

 さて次は、ブレーキペダルを踏んでもブレーキランプが点灯しないことに気づいたので調整です。ちなみにブレーキレバーを握れば点灯するのでランプ自体は生きてます。



 はい、これがリア・ブレーキ・スイッチです。車体右側のスイングアーム支点近くにあります。スイッチ全体をすぽっと上にあげてフレームから外し、付いているアジャスト・ナット(上の写真で右側の矢印)をクルクル回して調整。ブレーキペダルを踏んでみて点灯するタイミングを丁度よく調整して、はい完了。

 さて次はリアタイヤですね。うむ、どうしよう?かなり以前 50cc のバイクのタイヤ交換をした経験はありますが、今はタイヤレバー1本すらない。何となく億劫になってきたので、近所にあるドラスタ(以下DSと略。ってドラスタ自体が略なんだけど・・)に頼んでしまおう。やっぱ金持ちは違うね。ふぉっふぉっふぉっ。銘柄はDUNLOP UNIVERSAL サイズは 2.75-17 。チューブもついでに新品交換。ふふふ、やっぱ金持ちは違うね。ふぉっふぉっふぉっ。お値段は工賃込みで 6600円ほど。あーん、もう小遣い残り少ないよー(泣)



 ちなみに、こんなのです。なお、CL50 ではINOUEとかのほぼ同じようなパターンのものが標準なようです。そして前後とも同じものを使っているようですが、今回は主に街乗りということを考えて、フロントはオンロード用のものをチョイスしようかと考慮中です。まだ先の話ですけどね。いちおう候補としてはDUNLOP K888F かブリヂストン EXEDRA G551 あたり。でもデザイン的にはCL50 には似合わないだろうな、やっぱり。

追記 最近気になっているのがブリヂストン BATTLAX BT390です。「スポーティにカスタマイズするハイグリップ・バイアス」かあ。うーん、良さげですねえ。サイズがワンサイズ・ダウン(2.50-17)になっちゃうけど、実に魅力的。
(2006. 5.24)



2006. 5.12 ドライブ・スプロケ変更



 DSでタイヤ交換したとき、ついでに買ってきたキタコの14T のドライブ・スプロケ(945円でした)に付け替えてみました。作業はカンタンだとばかり思っていたのですが、意外に手こずりました。(ちなみにバイク整備もほぼ20年ぶりだったりする)
 まずチェーンを外すためにリアアクスルのナットを緩めようと思ったら、レレ、ナットが2つある。あれ、どっちがどっち(笑)えーと手前の小さいほう(12ミリ)がリア・アクスルを留めてるヤツだよね。これは何か見たことないような形ですね。昔は確かナットと割ピンで留めてあったような気もするが、進化したのかしらん?まあ、いいや。

 このナットはどうやら「U - ナット」というものらしいです。20年も経てば便利なものが出来てきますね。(2006.6.3記)


 問題はそのちょっと奥にある大きいナット(23ミリ)です。こちらはリア・アクスルのスリーブを留めてるナットですね。これを緩めないとチェーンは外れないですよね?車載工具のソケットで何とか緩めようとするが、きつくてとても歯が立ちません。といって手持ちのソケットレンチセットにもメガネセットにも23ミリなんてのはありません、はい。
 しようがない。近所のホームセンターまでクルマを走らせます。えーと、9.5sq の23ミリのディープ・ソケット・・・KTCのがありました。けど1,620 円かあ、コマ1個なのに結構高いねえ。ちなみにもうちょっと安いセミ・ディープってのがあったけど、寸法を測ってこなかったんでナットまで届くかどうかわかりません。残念。

 23ミリのディープ・ソケットさえあれば、あとは大した問題もなくチェーンを外し、14T のドライブスプロケに交換しました。ついでにチェーンの清掃と給油、そして張りの調整も完了。ちなみに調整前はチェーンのたるみが上下7〜8cm もありまして、びっくり(笑)
 さて家の近所を試走してみます。うん、ちょっと伸びるようになったな。1速・2速はあまり変わったように思えないけど、3速・4速はなかなかいい感じになったようです。特に3速は今まであまり使い道がなかったんだけど、今度は結構引っ張れるので、いわゆるフツーに加速できる感じになりました。15Tにすればもっと良くなるかも?でも30Km/h 制限なので、これくらいで良しとしましょう。

 これで二次減速比はノーマルの3.307(= 43/13)から3.071(= 43/14)になったわけです。ここで Benly & Sea というサイトにあった Excel のファイルを利用させていただいて、各段の7,000rpm(最高出力時回転数)での速度を算出してみました。これは、あくまで計算値であって、必ずしもこの速度で走ったということではありませんので念のため(笑)


 13Tのとき14Tのとき
1速  16Km/h 18Km/h
2速  28Km/h 30Km/h
3速  40Km/h 43Km/h
4速  52Km/h 56Km/h


 わずか3〜4Km/h の伸びでもちゃんと体感できるもんなんですねえ。それよりも、どちらかっていうとエンブレが多少マイルドになってくれたことのほうが嬉しかったりして(笑)


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2006. 5.21 Fブレーキ・ケーブル交換

 若干ながらスピードが伸びるようになると、気になるのがブレーキ性能です。以前から何となくFブレーキがいくらか甘いような気がしていたのです。交換してみたいパーツは1にブレーキ・シュー、2にブレーキ・ケーブル、そして忘れちゃいけないブレーキ最重要パーツ、それはFタイヤ。ははは、いや、ここ笑うところじゃありません。大事なことです。

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 余談ですが、昔あるバイク雑誌の企画でユーザー代表がメーカーの技術者に質問するコーナーか何かがあって、あるホンダ車のユーザーが、ヤマハのドラム・ブレーキには水抜きの穴が設けてあるのにホンダのには無い。安全のために設けるべきじゃないかと質したのに対し、ホンダの技術者が「別のアプローチを考えています」と答えていたが、当時のワタシには何のことかわかりませんでした。



 それからしばらくしてモーターショーでホンダの初代 CB750 が発表され、それには市販車初のディスクブレーキ(油圧式)が装備されているのを見て、ようやく得心がいったのでした・・・閑話休題。
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 今後 CL50 のボアアップなんぞも視野に入れるとすると、ホントにできることならディスクブレーキでも奢りたいのはヤマヤマなんですが、とてもワタシにゃそんな改造するほどの技量なんてあるわけないです。はい。
 せめてドラムならドラムなりに精一杯メンテすることで、安全性を確保したいと思っておるわけです。はい。

 ということで、とりあえず純正のケーブル(1,200円くらい)と Vesrah のシュー(1,300円くらい)、それと純正のブレーキシュー・スプリング(2個で400円くらい)を購入してみました。

 今日は時間の都合もあって、ブレーキ・ケーブルのみ交換です。これはカンタンカンタン。工具なしでさっさとできちゃいます。問題は調整ですね。ちょっと走ってブレーキをかけてみては、調整。これを3〜4回くりかえして気に入ったセッティングにします。ちなみに交換前はケーブル先端のネジ山部分が20ミリくらい露出した状態でも甘かったのが、交換後は15ミリ程度で、ややきついかなという印象になりました。9年間で5〜10ミリ程度の伸びなら、古いケーブルでもまだ使えたのでしょうが、やはり安全第一ですネ。


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2006. 5.28 Fブレーキ・シューを Vesrah VB-126 に交換



 先週できなかったブレーキ・シューの交換をやってみました。作業手順は次のようなものです。
手順1.ブレーキ・ケーブルを外す。
手順2.スピードメーター・ケーブルを外す。
手順3.フロント・アクスルを抜く。
手順4.前車輪をフォークから外す。
手順5.ブレーキ・パネルを取り出し、古いブレーキ・シューを外す。
手順6.新しいブレーキ・シューを取り付ける。
手順7.以下、逆手順で組み付ける。

 実はブレーキをばらすのは初めてだったりします。手順2でスピードメーター・ケーブルを外そうと思ってプラス・スクリューを緩めようとしたのですが、固くてとても回りません。ドライバーの軸にメガネを掛けて強引に回そうとするとネジの頭を舐めそうなので断念。もっとも、このスクリューを緩めてケーブルが外れるのかどうか、構造がイマイチよくわかっていません(^^;
 仕方ないのでメーターのほうで外して、ケーブルはブラブラとくっついた状態で作業します。ここまでで10分ほどタイムロス。

 手順4の前車輪をフォークから外すのは、案外すんなりとできました。もっともクランクケース部をジャッキアップして前輪を浮かせながら作業していたわけですが、力を入れすぎたのかグラッと車体が倒れそうになり、あわててハンドルとフォークを押さえて事なきを得るなんて一幕もあって、なかなかスリル満点(笑)やはり、ちゃんとしたスタンドが欲しいですね。

 それ以外は特に難しいところは無かったのですが、シューの取り付け・取り外しはスプリングが効いているので、結構手こずりました。まあ、単に腕力の問題かも・・・それと、新しいシューの取り付けのとき、夢中で汚れた軍手のままでやっていたので、シューの摺動部をちょっと油で汚してしまいました。オーマイガッ!
 本当は軽くペーパーでもかけてやればいいんでしょうが、用意してなかったので、そのまま組んでしまいました。オゥ・ノゥ!

 さらにブレーキ・アームを表ウラ逆に付けてしまい、ケーブルがうまく収まらない。アレレ一体どうなってるんだ?それと気づかず、しばし考え込むワタシ。アームを断面方向から見ないと違いがわかりません。これでまた10分ほどタイムロス。ていうより、そもそもアームを外す必要は、なかっ・・むにょむにょ。

 ま、そんなこんなで手際のいい人から見れば、いろいろ余計なことをやりながらも、何とか完了。さて、インプレです。ブレーキをかけると、じわーっとした感じで効いてきます。この感触、ちょっとディスク・ブレーキと似てるかな?割とワタシ好みの感触です。これと比べると純正のはガッと効いて、タイヤがプアだと滑りそうな予感が付きまとってました。もう純正には戻れないカラダになってしまった・・・かも。



 ちなみに、こちらが外した純正ブレーキ・シューです(モノクロ写真ではありません。念のため)。Vesrah よりも硬くて、いかにも減りが少なそう。実際9,000Kmほど走っているのに、まだ3ミリくらい残っています。リア用の予備にでも取っておきますか。


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