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『世界で一番愛された犬』
『世界で一番愛された犬』を私は知っている。正確には『世界で一番愛されている犬』だ。
その犬とは私がほぼ毎日広場で逢う犬たちのことです。
少なくとも、私が何度か会話を交わしたことのある飼い主さんの犬たちは『世界で一番愛され、幸せな犬』なのです。
それは、お洒落なリードをつけているとか、可愛い服を着せてもらっているとか、そんな低レベルな問題ではありません。毎日ご馳走を食べさせているなんて話も聞いたことはありません。身体に安全なフードやおやつをもらっているかもしれませんが…
いくつもおもちゃを持っていることを自慢している訳でもない、いたずらっ子も甘えっ子もいます、人懐っこい犬、ナイーブな犬、泥んこの犬(笑)個性も様々…
今年のこの暑い夏の日の夕方に広場に集まってくる犬たちは、飼い主さんと共に、とても嬉しそうにやって来る。一緒にかけっこをしたり、ボール遊びをしたり、犬同士でガウガウしたりして楽しんでいる。
私の話したことのある飼い主さんたちはみんな心から犬たちを愛している、我子のように、我子以上に愛している。時には厳しく叱ることもあるが、しっかりしたしつけの為だと分かる。こんなにも飼い主さんやまわりの友人知人に愛されている犬はいないと思う。
我家の愛犬もそうであるように、飼い主だけではなく、まわりの優しい人々からの大きな愛も注いでもらっている。
広場に行くたびに、そんな心優しい多くの飼い主さんに出逢えることをとても幸せに思う。
日本中の、世界中の犬たちがすべてそうであって欲しいと願うけれど、現実にはそうでないことを知っている。何百匹、何千匹、何万匹の哀しい犬たちが存在しているのが現状だ。
年間に何匹も生まれる、色々な犬種の多くの犬たち、その中からもしかしたら、ほんの一握りの選ばれた犬たちにしか無償の愛は注がれていないのかもしれないと思うと本当に心が痛む。
広場で、家で家族から『愛され、可愛がられ、幸せな犬たち』一生のパートナーとして、健康で幸せで楽しく暮らしてほしいと、私の出逢ったすべての飼い主さんたちの気持ちは同じように思っているに違いない。
2004.8.10
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