前条の法的に有効な相対ネッティング契約は、次の各号に掲げる要件の全てを満たすものをいう。
当事者の一方に取引を終了させることができる事由(取引相手が現金若しくは証券を引き渡す義務又は追加担保を提供する義務その他の義務を履行しないこと及び債務超過、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令その他これらに類する事由の発生を含む。)が生じた場合に、他方の当事者は、当該契約の対象である全ての取引を適時に終了させ、1の債権又は債務(当該契約の対象である全ての保険会社等の債権及び債務の正味額に基づき計算されたものをいう。)とすることが書面によって契約上定められていること(以下この条において、当該契約上の定めを「相対ネッティング契約」という。)。
当該相対ネッティング契約について、当該相対ネッティング契約に関係する全ての法令に照らして有効であることが適切に確認され、法的有効性に関する見解が適切に文書化されていること。
ある取引が所要資本の額の計算においてネッティングの対象であることを認識する前に、当該取引が法的に有効な相対ネッティング契約の対象であることを検証するプロセスが整備されていること。
関連する法令が変更される可能性を考慮し、法的有効性に関する見解の更新を含め、当該相対ネッティング契約の法的有効性を継続的に検証するプロセスを有していること。
当該相対ネッティング契約に関する全ての文書が適切に保存されていること。
ウォーク・アウェイ条項(ネッティングの結果、債務不履行当事者が債権者となった場合に債務不履行当事者の取引相手方が支払額を限定すること又は全く支払わないことを許容する条項をいう。)が付帯されていないこと。