CL50のメンテ日誌 Part6 続・腰下編





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2006.12.12 1速のギヤ比変更は取りあえず断念 その代わりに・・・

 前回の構想のうち3番目に挙げたCD90のメインシャフトが使えないだろうかという件について、いろいろ調べてみたのですが、はっきりはしませんが、これもちょっと無理っぽいかも。
 
上:CL50ノーマルのメインシャフト

中:デイトナ4速クロス モンキー用

下:CD90のメインシャフト同等品




 右端のシャフト径は12ミリでOKだったのですが、写真のとおり一番右側のサークリップを嵌める溝の位置が全く違っています。右側二つの溝の間に3速ギヤが入り、左右にスライドする仕組みなので、CL50とCD90では3速ギヤの構造が全く異なっているのではないかと思われます。

 ただ、3速ギヤが右にスライドしたときは、3速ギヤと1速ギヤの間にある2速ギヤを押さえ付ければいい訳なので、スぺーサーなどでうまく幅を調整すれば、ひょっとしたらイケルんじゃないかって気もするんですけどね。
 まあ、しようがない。ギヤ比変更は今後の課題ということにして、取りあえず保留とします。

 で、その代わりってわけでもないですが、ミッションのリターン化。こちらは何とかなりそうな気がするので、TRYしてみたいと考えております。


おまけ 各車種のミッション ギヤ比&軸受一覧

CL50 CD50 50S
CD90 (H以降)
デイトナ4速クロス
モンキー12V
モンキーR
1速
36T:11T = 3.273
34T:12T = 2.833
34T:13T = 2.615
36T:11T = 3.273
36T:11T = 3.273
2速
31T:16T = 1.938
29T:17T = 1.706
31T:17T = 1.824
31T:16T = 1.938
31T:16T = 1.938
3速
27T:20T = 1.350
26T:21T = 1.238
27T:20T = 1.350
27T:20T = 1.350
27T:20T = 1.350
4速
24T:23T = 1.043
24T:23T = 1.043
24T:22T = 1.091
24T:23T = 1.043
24T:22T = 1.091
MS軸受
(1速側)
6001
内径12ミリ
6001
内径12ミリ
ニードル
内径14ミリ
MS軸受
(4速側)
6003
内径17ミリ
6203
内径17ミリ
6203
内径17ミリ
CS軸受
(1速側)
6003
内径17ミリ
6203
内径17ミリ
6203
内径17ミリ
CS軸受
(4速側)
6001
内径12ミリ
6201
内径12ミリ
ニードル
内径14ミリ

MS=メインシャフト  CS=カウンターシャフト


2006.12.20 ミッションのリターン化にTRY

 
購入したモンキー用純正パーツです。
上段
35753-035-662 Nスイッチローター
中段左から
24301-GS3-010 ドラム
24425-198-900 プレート(丸)
90071-171-010 6ミリボルト
下段左から
24430-165-305 ストッパーセット
24421-200-000 ピン×3本
96220-30085 ローラー×2本

合計 4,810円でした。


左がCL50純正のシフトドラム
右がモンキー用リターンタイプ


ドラムにシフトフォークなどを組んだと
ころです。


反対側から見たところ
実はストッパープレート(星形のヤツ)
の向きが表ウラ間違っています。
まだ仮組みですから・・・


ギヤと組み合わせてみました。


これはニュートラルスイッチの接触具
合を見ているところ。

少し左に寄っているコの字型のものが
ローターで、茶色の中心にある丸いの
がコンタクト。

明らかに中心からは、ずれてますが何
とか点いてくれないかな?


一見正常に組めたように見えますが、
まだスプリング(すぐ下に置いてある)
が入ってません。

あれれ、使うボルトが逆になってます
ね。
写真を撮るために組み直したとき、間
違えたようです。


スプリングは、このようにストッパー
アームの下に入ります。


ボルトを外した状態
スプリングがうまく入ってくれるかっ
ちゅうと・・・


こんなに太いんじゃとうてい無理!
何度やってみてもストッパーアーム
が浮き上がってしまう。


ちなみにCL50純正のスプリングは
細めなので、このように溝のところに
すっぽり入ってイイ感じなのだが・・・


左がモンキー用の太いヤツで
右がCL50用の細いヤツ
カタチが違うんで、このままでは使え
ません。
うーむ、何とかなるかなあ?





2006.12.22 リターン化の続き ニュートラルスイッチ

 ニュートラルスイッチの接触がイマイチな気がしたので、CL50用のローターを試してみました。
 
Nスイッチローターを重ねてみた。
上になっているのがモンキー用で
下がCL50用
ということは・・・


このとおりCL50用でピッタリなん
ですね。


このときテスターは0Ωつまり導通
しています。
Nランプがピカッの状態です。


ニュートラルの両隣の1速・2速で
は、テスターの指示は∞(無限大)
導通してません。



 結局ドラムをモンキー用に変更しても、ニュートラルになる角度は同じだったようです。
早い話が、モンキーのNスイッチローターは買う必要がなかったってことですか。うむ、勉強代141円也。

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2006.12.27 リターン化の続き ストッパーアーム

 モンキーのパーツリストによると、ちょっと古いタイプ(Z50J Pなど)では別のストッパーアームを使っているようです。
 
上が新たに入手した古いタイプのストッパーアーム。
6角レンチで締めるタイプだし、CL50のによく似て
いる。
24430−GB4−772
スプリングも古いタイプ(CL50とほぼ同じ細いヤツ)
にする。
24435−GF6−003


さあ、いよいよ取り付けです。
今度こそ。頼むよ、ホンマ。


今度はちゃんと取り付けできました。動作も
1−N−2−3−4 とOK!

写真は4速の状態です。

前々回に間違えたボルトもちゃんと直してあります。



 これにてCL50のリターン化完了。というのはちょっと嘘っぽい。なぜかというと、今回はスペアエンジンに取り付けて試しただけだから。
ま、あわてることもないので、暖かくなったら本エンジンに組み込むとしましょう。もう一点、懸案も残ってますからね。

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ちょっと場違いな話題  ステンレスのビス&ボルトを何種類か購入してみました。実はシリンダヘッド用の6×22ボルトが白サビ?で固着してしまって、しかもスペース的にスパナしか使えず、外すのに相当苦労させられたので、6角レンチが使えるキャップスクリューにしたかったのです。
 
上 : φ5mm 長さ10mmのステン皿ネジ
クラッチアウターカバー用に

中 : φ6mm 長さ20mmのキャップスクリュー
シリンダおよびシリンダヘッド用に
純正品は長さ22mmだけど問題ないでしょ。

下 : φ6mm 長さ16mmのステン皿ネジ
ステーター用に

こんなに本数いりませんけど (^^;
送料別で660円でした。





2007. 1.12 1速のギヤ比変更に再TRY

 一時頓挫していた1速のギヤ比変更の件ですが、自力では不可能・・・でも何とかしたいということで、井上ボーリングさんにモンキー用メインシャフトの加工を依頼しておりました。
 年末年始にかかってしまったので、出来上がりは当分先だろうと思っておりましたら、何と嬉しい誤算。早々と昨日届きました(^o^)
 
上が加工後のモンキー用メインシャフト
右端の部分の径を12ミリに。
きれいに出来てます。

下はCL50純正のメインシャフト


上が加工前のもの
右端の部分の径は14ミリ

同様に下はCL50純正




 ところで加工を依頼するとき、きわめてアバウトに「右端の部分を純正品と同じにしてください」とだけ書いて出してしまったのですが、戻ってきてからよくよく寸法を測ってみたら、サークリップを嵌める溝から右端までの長さが、モンキー用のほうがおよそ1ミリほど短いらしいことが判明! 「依頼する前に測れよ、俺」って感じですが(笑)

 その辺さすがプロっていうか、径12ミリに削る部分の長さも、それに合わせてちゃんと1ミリほど短くしてくれていました。感謝感激! このつたない文章で言ってる意味わかるでしょうか?詳しくは次回に・・・

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2007. 1.14 続・1速のギヤ比変更に再TRY

 つまり、こういうことです。依頼どおりに径12ミリに削る部分の長さを純正品と同じにしてしまうと、下図のようにベアリングとの間に1ミリくらいの隙間ができてしまうのではないかと思います。(注:図は少々大げさに描いてある)

 

 まあ、それでも実際のメインシャフトの左右方向の位置決めは、ベアリング(図では左側のです)と、ギヤを介してそれを挟む形の2個のサークリップで決まるので、特段の支障は無いようにも見えます。
 しかしです。シロート考えですが、もしメインシャフトに右向きの力が掛かった場合、ドリブンギヤを留めているサークリップ1個のみでその力を支えることになって、ちょっと頼りないような気もします。

 でも下図のように、径14ミリの部分がベアリングのところまで、ちゃんと届いていれば、サークリップとメインシャフト(の径14ミリの部分)の2箇所で支えることになるので安心だ、ということを言いたかったのでした。



 さて能書きはこれくらいにして、さっそく組み込んでみます。

加工したメインシャフトに2速ギヤを組んだところ。


続いて3速ギヤを組み込む。
メインシャフトは、とりあえずここまで。

スプラインワッシャとサークリップにも向きがある
ので慎重に組みます。


次はカウンターシャフトにデイトナ4速クロス用の
1速ギヤ(34T)を組み込む。


続いて2速ギヤを組み込む。
カウンターシャフトも、とりあえずここまで。


シフトドラムと組み合わせる。


クランクケースに差し込む。ちょっときつめでした
が、問題なく入りました。

一番左に立っているのがキックスピンドル。
そのピニオンギヤもデイトナ4速クロス用のものに
替えてあります。
これを替えないとギヤの噛み合わせが浅くなりす
ぎてしまいます。


残りのギヤを上から差し込んで、ギヤ組みは終
了。


ドリブンギヤのサークリップ取り付けも問題なし!

このメインシャフトは2次クラッチ取り付け可能なよ
うで、その分少し長くなってますが、もちろんカバー
に干渉するほどではないです。




 これで懸案だったモンキー用4速クロスのパーツが使えるようになりました。ちなみにメインシャフトの加工工賃は送料込みで6,300円(税別)。ちょっと痛いけど、パーツが使えないことを考えたら、もう最高にHAPPYですネ(^o^)

 さあ、いつ本エンジンに組み込もうかな。ワクワク。

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