CL50のメンテ日誌 Part4





目   次


2006.10.16 PC20キャブ装着したよ

 久々のメンテ日誌です。どうもパワー不足っちゅうか、何となくモノ足らないので、キャブをPC20に交換してしまいました。


 ノーマルヘッドおよびノーマル・エアクリに適合するモノということで、探した結果タケガワのSステージ用ってのに行き着きました。住宅地なので吸気音をなるべく静かにしたいってことで、パワーフィルターよりもノーマルのエアクリのほうがいいかなと思ったのです。といっても絶対的な条件っていうわけでもなく、場合によっては再考の余地はありますが・・・


装着してみたところ。
チョークレバーが遠くて、しかも手前
の燃料パイプが邪魔で、ちょっと操作
しにくいかな。




エアスクリューは左右に回してみても
ほとんど変化なし。なので、当初の位
置に戻した。

スロットルスクリュー(中央の銀色のヤ
ツ)は明らかに締め込み過ぎだった。
左へ150°くらい緩めてOKでした。
ちなみに購入時は黒いペイントの位置が
一致していた。





 でキャブ・セッティングですが、今のところ下記のデータで落ち着いています。

MJ 番数JNクリップ位置SJ 番数エアクリマフラーシリンダヘッド
95上から3段目35ノーマルノーマルノーマル

ただし、エアクリのエレメント・カバーはなし(フレーム内で剥き出し状態です)

 なお、最初MJ90で試したところ、アクセル全開で失速するという状態でしたが、キャブ・セッティングには慣れてないため濃いのか薄いのかよくわからず、たぶん濃すぎてボコ付いているのだろうと思い、次にMJ85を付けてみました。
 ところが、これが失敗でした。アクセルを開けるほどエンスト気味になり、後ろのクルマに追突されそうになるという大失態!おお、あぶねーな。そこで、チョークを半分ほど閉じると元気になるので、薄すぎであることが判明。

 それで今はMJ95にしています。これならアクセル開度にかかわらず、ほぼ好調を維持しております。これでクルマの流れに乗るのもさほど苦労はありません(一級国道を除く)。ただ長い上り坂では、やはりパワー不足ですねェ。トルクはだいぶ出てきたようにも思えるんですが、昔のホンダ・エンジン的感覚からいくとあまりにも回転の伸びがない。つまり、割と実用的なんだが面白味に欠けるってとこかな。

 ああ、まだまだ道は遠いなあ。

このページの目次にもどる


2006.10.18 素朴な疑問 MJの番数は何を表しているのか


 ところでMJのチューニングのためにデイトナのMJ6個入りセット(Mタイプ 31117ってやつね)を購入したのですが、これの中身は番数でいうと 65 70 75 80 85 90 で、結局のところ今現在のワタシのセッティングには1個も合わないということになってしまいました。

 で今はPC20キャブに最初から付いていた95番で落ち着いているのですが、念のため100番あたりも試してみたいものです。しかし、新しく別のセットを購入するのもつまらないので、何とかドリルで穴を拡げたりできないんでしょうか。

 そこで、0.45 0.55 0.7 0.9_の針金を使ってそれぞれのMJの穴の径を測ってみました。下の表がその結果です。針金が通過できたところは○印、できなかったところは×印です。

↓MJの番数0.45_0.55_0.7_0.9_
65
×
×
70
×
×
75
×
80
×
85
×
90
×
95


 この結果からみると、MJの番数とはつまりミリ単位で小数点以下の数字を表しているとみて良さそうです。ならば100番のMJが欲しければ適当なMJの穴を1ミリのドリルで拡げてやればいいんじゃない?という仮説が誕生するわけですね。


このページの目次にもどる


2006.10.20 点火時期が遅いのかも?

 ところで、前々回の記事では単に「回転の伸びがない」と書きましたが、というよりも、どちらかっていうと最高回転数付近で、きれいに吹けきらないといった方が正しいような気がします。
 それで思い出したのが、いにしえのペダル付原付マシン リトルホンダP25です。こいつは確か進角ガバナーとかいう装置が付いていて、30Km/h以上出そうとすると、わざと点火時期を遅らせて、それ以上出させないという先進メカ?搭載のスーパー・モペットだったのですが、そのいかにも吹けきらない感じがちょっと似てるかも・・・

----------------------------------------------------------------------------------------------
 余談ですが、ちなみにこのP25、ワタシの頼りない記憶によれば、カムシャフトはもちろん1本しかないのですが、バルブの取り付け位置が普通のと90°違っていて、ツインカムのようにロッカーアームなしでバルブを直接叩いていたように思います。


 カムがこんな形だったかな?間違っていたらすまん。閑話休題。
----------------------------------------------------------------------------------------------

元の話題に戻ります。
 つまりです。今回のCL50も最高回転数付近で点火時期が合ってない(遅い)のでは? ということなんです。そういえばキタコのボアアップキットの説明書に点火時期を早くしろっていう記述があったような(汗)
 フライホイール(以下FWと略す)を外すのが面倒で後回しにしてたんでしたね。しようがない、取りかかりますか。

 まずは工具を揃えましょう。で買ったのがこれです。

上がフライホイールプーラー 左上の太いヤツをFWに密着させておいて
中心のシャフトをぐいぐいとねじ込んでいくわけですね。

下がユニバーサルホルダー こちらはたぶん(汗)最初にロックナットを
外すときFWが空回りしないように押さえておくためのモノなんでしょう。

ストレートで両方買って3567円(送料込み)でした。





2006.10.22 点火時期を早めに調整する 他

 
左クランクケース・カバーを外す前に、邪魔になるチェンジ
・レバーを外します。


左クランクケース・カバーを外したところです。


フライホイール(以下FWと略)をユニバーサルホルダーで
押さえながら、中心のロックナットを緩めます。

ソケットレンチのハンドル部分を軽くプラスチック・ハンマー
で叩いてやると・・・


ロックナットが緩みました。


FWプーラーのパイプみたいな部品(名前がわからん)を
逆ネジ(左回り)でFWに密着するまでねじ込む。


FWプーラーの軸部分を右回りでねじ込んでいく・・・はず
だったが、バイクのステップが邪魔でねじ込めないんだ
よーん。

で、どうするかっちゅうと
あらかじめFWプーラーのパイプ部と軸部分を組んでおい
てから、パイプ部を逆ネジでねじ込む。
このとき軸部分をぎりぎり先のほうまで入れておけば、あと
ちょっと軸部分をねじ込む(正確にはプラスチック・ハンマ
ーで叩く)だけでFWが外れるわけです。

もちろん、そのときはパイプ部を21ミリのスパナまたはモ
ンキーで押さえておくのだよ。明智君。


FWが外れてステーターが見えたところ。


こちらは外したFWです。


ボアアップ説明書の指示に従って、上死点マーク(Tマー
ク)を少し右に移動させたところ。カッターで軽くケガいて
おきました。


写真を撮り忘れましたが、クランクシャフトに埋め込まれ
ているウッドラフ・キーを取り除き、FWの新Tマークをク
ランクケースの凹みに合わせて取り付ける。

とはいうもののクランクシャフトが微妙に動いてしまって、
なかなかうまくいきません。うーむ、どうしてくれよう。

シリンダヘッドのカムスプロケットが、ヘッドのマークに一
致するときが正しいクランクシャフトの位置なので、この
状態でFWを差し込み新Tマークを合わせればいいわけ
ですね。

アタマいー!


ところが、ここでとんでもないことが発覚!
念のため再度ウッドラフ・キーを付けてFWの旧Tマークを
合わせたときのことです。
うんうん、カムスプロケットも、ちゃんとヘッドのマークに一
致・・・してるか、これ?

サイドスタンドでバイクを支えていると、必然的にやや上
のほうから見ることになり、一見マークは一致しているよ
うに見えるのだが


ぎゃー、えらいこっちゃ。ちゃんと同じ高さの目線から覗き
込んでみると・・・合ってないじゃん。カムスプロケットの歯
1個分狂ってるやん。

道理で調子悪いわけですよね。あー気が付いて良かっ
たよ。ホントに。
もちろん、この後カムスプロケットとカムチェーンを組み直
したことは言うまでもありません。

エンジンを掛けてみると、何と軽やかな音なんでしょう。
今まで妙に重々しい音だったのは大部分バルブ・タイミ
ングがわずかに狂ってたからだったんですね。やれやれ。


ついでの作業です。
最近また、ニュートラル・ランプが点かなかったりするので
ニュートラル・スイッチを新品に交換します。

接点部分の真鍮の色がまるで違います。


仮に組んだところです。フィキシング・プレートは、まだ付け
てない状態の写真です。





2006.10.30 ようやくエンジン好調となりました

 前回の点火時期調整および「ヒョウタンから駒」的に発見したバルブタイミング狂いの矯正によってエンジンはかなり快調になりました。でもアクセルを急に開けたときなど、まれに失速気味になるので、キャブのジェットニードルを1段上げてパーシャル領域での燃調を濃いめにセット。

 実はその直後ガス欠→給油となったことからすると、そっちが失速の原因かもしれないのですが、結果オーライでアクセル開度の全領域で全く問題なく、全開領域でも気持ちよく吹けきれるようになりました。以前、「クルマの流れに乗るのもさほど苦労はありません」と書きましたが、今はそれに加えて、多少の余力がある。つまり、そこからさらにスムーズに加速していける状態です。まっ、75ccなんでたいした加速じゃないけどね。

 これでエンジンに関しては、ほぼ所期の目的を達しました。あとは足回り、ブレーキなどに手を入れてバランスのとれたバイクに仕上げていきたいものです。ああ、それともうひとつ。大きな不満が残っているのがミッションです。2・3・4速はいいんですが、1速があまりにもローギヤードすぎる。発進するや否やあっという間に吹けあがって、あわてて2速に入れねばならぬ。これは是非とも改善したい。実は秘策はあるのですが、そのためには腰下全バラしなければならないので、今キタコの「虎の巻腰下編」で勉強中であります。来春までには何とかしたいなあ。

 参考までに、現在のPC20キャブセッティングです。
MJ 番数JNクリップ位置SJ 番数エアクリマフラーシリンダヘッド
95上から4段目35ノーマルノーマルノーマル

ただし、エアクリのエレメント・カバーはなし(フレーム内で剥き出し状態)