認可特定保険業者等に関する命令(平成23年5月13日内閣府令・総務省令・法務省令・文部科学省令・厚生労働省令・農林水産省令・経済産業省令・国土交通省令・環境省令第1号)


第43条(責任準備金の積立て等)

認可特定保険業者は、毎決算期において、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる金額を改正法附則第2条第3項第4号に掲げる書類に記載された方法に従って計算し、責任準備金として積み立てなければならない。

保険料積立金 保険契約に基づく将来の債務の履行に備えるため、保険数理に基づき計算した金額

未経過保険料 未経過期間(保険契約に定めた保険期間のうち、事業年度末において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する責任に相当する額として計算した金額

異常危険準備金 保険契約に基づく将来の債務を確実に履行するため、将来発生が見込まれる危険に備えて計算した金額

契約者配当準備金 契約者配当準備金の額

2.

前項第1号の保険料積立金(以下この項、次項及び第5項において単に「保険料積立金」という。)は、次の各号に定めるところにより積み立てるものとする。

保険契約(特別勘定を設けた保険契約を除く。)に係る保険料積立金については、平準純保険料式(保険契約に基づく将来の債務の履行に備えるための資金を全保険料払込期間にわたり平準化して積み立てる方式をいう。)により計算した金額を下回ることができない。

特別勘定を設けた保険契約に係る保険料積立金については、当該特別勘定における収支の残高を積み立てなければならない。

第1号の規定は、認可特定保険業者の業務又は財産の状況及び保険契約の特性等に照らし特別な事情がある場合には、適用しない。ただし、この場合においても、保険料積立金の額は、保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものとして改正法附則第2条第3項第4号に掲げる書類に記載された方法に従い積み立てなければならない。

3.

前2項の規定により積み立てられた責任準備金では、将来の債務の履行に支障を来すおそれがあると認められる場合には、改正法附則第2条第3項第4号に掲げる書類を変更することにより、追加して保険料積立金を積み立てなければならない。

4.

第1項第3号の異常危険準備金は、次に掲げるものに区分して積み立てなければならない。

保険リスク(実際の保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険をいう。)に備える異常危険準備金

予定利率リスク(責任準備金の算出基礎となる予定利率を確保できなくなる危険をいう。第6項において同じ。)に備える異常危険準備金

5.

前項第1号に掲げる異常危険準備金は、次の表の上欄に掲げるリスクの区分に応じ、それぞれ同表の積立額の欄に掲げる額又はこれに準ずるものとして改正法附則第2条第3項第4号に掲げる書類に記載された方法に従って計算した額の合計額以上を積み立てるものとする。ただし、同表の上欄に掲げるリスクの区分に応じ、それぞれ同表の積立限度額の欄に掲げる額又はこれに準ずるものとして同号に掲げる書類に記載された方法に従って計算した額の合計額を限度とするものとする。

リスク 積立額 積立限度額
死亡リスク及び入院リスク(人の死亡又は入院に関して支払われる保険金の発生率が通常の予測を超えることにより発生し得る危険をいう。) 当該事業年度の収入危険保険料の額(当該事業年度の収入保険料の額のうち、当該事業年度の保険金等の支払に充てるべきものをいう。以下この表において同じ。)に15/1000を乗じて得た額 当該事業年度の収入危険保険料の額に150/1000を乗じて得た額
生存保障リスク(人の生存に関して支払われる保険金の発生率が通常の予測を超えることにより発生し得る危険をいう。) 当該事業年度末の年金保険(人の生存に関し年金を支払うことを主たる目的とする保険をいう。以下この表において同じ。)に係る保険料積立金の額に1/1000を乗じて得た額 当該事業年度末の年金保険に係る保険料積立金の額に10/1000を乗じて得た額
損害保険リスク(一定の偶然の事故によって生ずることのある損害を填補するために支払われる保険金の発生率が通常の予測を超えることにより発生し得る危険をいう。) 当該事業年度の収入危険保険料の額に50/1000を乗じて得た額 当該事業年度の収入危険保険料の額の2倍の額
その他のリスク 当該事業年度の収入危険保険料の額に34/1000を乗じて得た額 当該事業年度の収入危険保険料の額に340/1000を乗じて得た額
6.

第4項第2号に掲げる異常危険準備金は、予定利率リスク相当額(責任準備金の予定利率ごとに、当該予定利率を別表に掲げる予定利率の区分により区分し、それに当該区分のリスク係数の欄に掲げる率を乗じて得られた数値を合計し、その得られた合計値を当該予定利率の責任準備金残高に乗じた額の合計額をいう。以下この項において同じ。)に100/1000を乗じて得た額及び責任準備金(予定利率リスクを有するものに限る。以下この項において同じ。)の額に1/1000を乗じて得た額の合計額以上を積み立てるものとする。ただし、予定利率リスク相当額及び責任準備金の額に30/1000を乗じて得た額の合計額を限度とするものとする。

7.

第1項第3号の異常危険準備金は、次の各号に掲げる異常危険準備金の区分に応じ、当該各号に定める場合を除くほか、取り崩してはならない。ただし、当該各号に掲げる異常危険準備金の前事業年度末の積立残高の額が当該異常危険準備金の当該事業年度末の積立限度額を超える場合には、当該超える額を取り崩さなければならない。

第4項第1号に掲げる異常危険準備金 死差損又は危険差損(実際の死亡率又は危険率が予定死亡率又は予定危険率より高くなった場合に生ずる損失をいう。)がある場合において、当該死差損又は危険差損の填補に充てるとき。

第4項第2号に掲げる異常危険準備金 利差損(資産運用による実際の利回りが予定利率より低くなった場合に生ずる損失をいう。)がある場合において、当該利差損の填補に充てるとき。

8.

認可特定保険業者の業務又は財産の状況等に照らし、やむを得ない事情がある場合には、前3項の規定にかかわらず、これらの規定によらないで、第1項第3号の異常危険準備金の積立て又は取崩しを行うことができる。


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