この表において、次に掲げる用語の意義は、それぞれに定めるところによる。
保険事故発生率が悪化する不確実性をいう。
テスト実施期間の各年度において設定される、通常の予測を超える範囲でリスクをカバーする保険事故発生率をいう。
テスト実施期間の各年度において設定される、通常の予測の範囲でリスクをカバーする保険事故発生率をいう。
危険発生率A及び危険発生率Bを使用して、危険準備金IVの算出を行うことをいう。
ストレステストを行う事業年度末をいう。
保険金の将来の支出額の累計額をいう。
法第4条第2項第4号、第187条第3項第4号又は第220条第3項第4号に掲げる書類のことをいう。
算出方法書に記載された、保険事故の発生率のことをいう。
予定発生率を基に算出した将来給付額をいう。
危険発生率Aを基に算出した将来給付額をいう。
危険発生率Bを基に算出した将来給付額をいう。
危険発生率A及び危険発生率Bの算出にあたっては、次に掲げる基準を満たさなければならない。
危険発生率は保険事故発生率が変動することによる保険金の増加を一定の確率でカバーする保険事故発生率とし、テスト実施期間(少なくとも10年間行うものとし、保険期間の残存期間が1年間を超え10年間未満の場合は当該残存期間)の各年度において、過去の保険事故の実績の推移等から適切な保険数理の方法を用いて設定すること。この場合において、以下に留意することとする。
前事業年度までの保険事故発生の実績値を基礎として、保険契約年度を単位とし、かつ保険契約の経過年数別に保険事故が発生した年度に対応して算出すること。
原則として基礎率を同じくする契約区分ごとに実施することとするが、給付事由及びリスク特性等の観点から同等の契約区分であれば、まとめて実施してよいこととする。なお、被保険者数が少なく統計的な取り扱いが困難な場合は、予定発生率の算出に用いたデータ等を活用するなど保険数理上適切な手法を用いて算出することができる。
テスト実施期間の各年度の危険発生率は、前事業年度より小さい危険発生率としてはならない。
危険発生率Aは、一定の確率を99%として設定すること。
危険発生率Bは、一定の確率を97.7%として設定すること。
第4条の2第1号に基づく、ストレステストの対象とするリスクに係る危険準備金IVの積立限度は、次に掲げる基準及び表により算出するものとする。
ストレステストを実施するにあたっては、以下に掲げる基準のほか、保険会社等(保険会社、外国保険会社等又は免許特定法人)の取締役会において定めたリスク管理方針に従った明確な管理規定に基づいて実施するものとする。なお、ストレステストを行う方法については変更を行う合理的な理由がない場合は、継続して使用するものとする。
P、A及びBの算出にあたっては、以下に留意することとする。
危険発生率以外の計算基礎については、算出方法書に記載された責任準備金の計算基礎を使用する。
将来給付額は、基礎率を同じくする契約区分単位で算出する。
将来給付額は、予定発生率又は基準日までに観測されるデータを基に設定される危険発生率に、基準日における保有契約高を基に算出方法書に記載された計算基礎を用いて算出されるテスト実施期間の各年度の保有契約高を乗じて算出するものとする。
○3の算出の際、基準日前6箇月を超えない期間において仮基準日を設け、当該仮基準日までに観測されるデータを基に設定される危険発生率と当該仮基準日における保有契約高を利用して○3の算出を行ってよい。この際、当該仮基準日から基準日までの間の保有契約高、保有契約高の構成等が変化している場合には、必要に応じて補正を行うものとする。
区分 | 危険準備金の額 |
---|---|
P≧A | 0 |
A>P≧B | A−P |
B>P | A−B |
ストレステストに使用した重要な要素は、全て完全かつ適切に文書化されていること。
次に掲げる保険契約等は、ストレステストの対象外とする。
保険期間が1年以下の保険契約(当該保険契約の更新時において保険料率の変更をしないことを約した保険契約を除く。)
規則第212条第1項第5号に規定する傷害保険契約その他これに準ずる給付を行う保険契約
保険事故発生率が十分小さく、特約又は主たる給付に付随する給付であって、債務の履行に支障を来たすおそれが極めて低い保険給付