大蔵省告示第232号(平成10年6月8日)


第1条の2

損害保険会社等(損害保険会社、保険業法(平成7年法律第105号。以下「法」という。)第2条第9項に規定する外国損害保険会社等(以下「外国損害保険会社等」という。)及び法第219条第1項に規定する引受社員(以下「引受社員」という。)であって同条第5項に規定する特定損害保険業免許を受けた者をいう。以下同じ。)にあっては、規則第70条第1項第1号ロ又は第151条第1項第1号ロに定める「収入保険料以外の金額を基礎とすることが合理的と認められる保険契約の種類」は火災保険とし、その未経過保険料は、次の算式により計算した値(当該値が1を下回る場合には1とする。)を収入保険料を基礎として計算した未経過期間に対応する責任に相当する額に乗じることにより計算する。

(R+E)/P

この算式において、R、E及びPは、それぞれ次の数値を表すものとする。

R 大規模自然災害リスクに対応する保険料の額として、一定の要件を満たすリスクモデルにより合理的に推計した当該事業年度の支払保険金の期待値(以下「大規模自然災害ファンド」という。)

E 大規模自然災害ファンド以外の既経過保険料の額

P 収入保険料を基礎として計算した当該事業年度に対応する保険料の額

(注)
1

大規模自然災害リスクは、風災、水災、地震の別に、推定支払保険金と当該事業年度において当該推定支払保険金を超過する災害が発生する確率(以下「超過確率」という。)との関係を表す曲線(以下「リスクカーブ」という。)において、超過確率が一定のパーセンタイル値(3.3%点、再現期間30年)に対応する災害を超える規模の災害が発生するリスクをいう。

2

大規模自然災害ファンドの計算は、以下の要件を満たす工学的事故発生モデル(工学的事故発生モデルがない場合は、理論分布的事故発生モデル)により、保険の目的の属性、保険金支払条件別に、合理的に推計しうる数のデータを用いて推計する。

工学的事故発生モデル

想定される全ての保険事故について、発生場所、強度等が工学的な理論に基づいて確率論的に評価されていること。

保険事故により発生する現象が工学的な理論に基づいて評価されていること。

保険事故により発生する現象と、保険の目的について構造、用途等の属性を考慮した上で評価されたぜい弱性との関係が工学的な理論に基づいて評価されていること。

保険金の支払条件が考慮されていること。

理論分布的事故発生モデル

過去の実績として同一の条件で長期間にわたり観測されたデータが使用されていること。

過去の実績として使用するデータは、物価水準、担保内容、リスクの集積状況等について適切な補正を加え現在時点に修正されたものであること。

保険事故により発生する現象と、保険の目的について構造、用途等の属性を考慮した上で評価されたぜい弱性との関係が考慮されていること。

保険金の支払条件が考慮されていること。

未発生の巨大リスクについて、工学的な手法その他適切な方法で評価されていること。


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