金融庁告示第74号(令和7年7月23日)


第35条(経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額及び繰延税金負債の額)

前条第2項に規定する経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額及び繰延税金負債の額は、次の各号に定めるところにより算出するものとする。

税効果会計(貸借対照表又は連結貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益又は当期純剰余の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。)に相当する会計処理を適用することにより第9条に規定する組替え及び第10条(第6号を除く。第3項において同じ。)に規定する評価替えから生じる繰延税金資産の額及び繰延税金負債の額を繰延税金資産の額及び繰延税金負債の額の別に分けて算出し、当該繰延税金資産の額及び経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額の上限のうちいずれか小さい額と当該繰延税金負債の額とを相殺したものをそれぞれ経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額及び繰延税金負債の額とする。

連結ベースの計算においては、前号に規定する相殺により経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額が0かつ繰延税金負債の額が0を上回る場合であって、直接相殺可能な額が0を上回るときは、前号の規定にかかわらず、経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額及び繰延税金負債の額は次のイ及びロに定める方法により算出するものとする。

経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額は、次の算式により算出される額とする。

−min(直接相殺前DTL,直接相殺可能な額)

直接相殺前DTLは、前号の繰延税金負債の額(ロにおいて同じ。)

直接相殺可能な額は、第4項に定める直接相殺可能な額(ロにおいて同じ。)

経済価値評価への調整から生じる繰延税金負債の額は、次の算式により算出される額とする。

直接相殺前DTL−min(直接相殺前DTL,直接相殺可能な額)

2.

前項において、実効税率は、単体ベースの計算に当たっては、法定実効税率(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条の12第1項第2号に規定する法定実効税率をいう。以下この項及び第156条第1号において同じ。)とし、連結ベースの計算に当たっては、保険事業に分類される保険会社等の法定実効税率を直近3事業年度(中間期末にあっては、前事業年度末時点の直近3事業年度をいう。)の税引前純利益金額で加重平均したものとする。ただし、税引前純損失金額が計上されている年度は、当該年度の税引前純利益金額は0として計算するものとする。

3.

第1項第1号の経済価値評価への調整から生じる繰延税金資産の額の上限は、次の算式により算出する。

a+max(0,b−c−d)

aは、第1項の規定に従い算出した第9条に規定する組替え及び第10条に規定する評価替えから生じる繰延税金負債の額

bは、貸借対照表等上の保険事業に係る繰延税金負債の額

cは、第40条第1号イ及びロに掲げる繰延税金負債の額(保険事業に係るものに限る。)

dは、貸借対照表等上の保険事業に係る繰延税金資産の額

4.

第1項第2号の直接相殺可能な額は、次の算式により算出する。ただし、貸借対照表等上の保険事業に係る繰延税金資産の額を限度とする。

Σmini(iの貸借対照表等上のDTA,iの規制上の準備金に係るDTA)

iは、保険事業に分類される保険会社等

iの貸借対照表等上のDTAは、iの貸借対照表における繰延税金資産の額

iの規制上の準備金に係るDTAは、規制上の準備金に係る繰延税金資産の取崩額のうち、iに係るものの額


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