現在推計の額の基礎となる保険契約に係る将来キャッシュ・フローは、基準日以降に生じる保険契約上の債務を履行することに関連するキャッシュ・フロー(既経過責任に係るものを含む。)をいい、この条の規定に基づき計算するものとする。
保険契約に係る将来キャッシュ・フローは、少なくとも次の各号に掲げるものを含むものとする。
保険金等
直接経費及び間接経費(法人税等(法人税その他利益又は剰余に関連する金額を課税標準として課される租税をいう。第35条において同じ。)及び第40条第1号イに掲げる無形固定資産に係る減価償却費を除く。)
保険料
当該保険契約に関連する再保険契約及び特別目的会社(資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2条第3項に規定する特定目的会社又は事業の内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。次項及び別表1において同じ。)以外に係る代位(保険法(平成20年法律第56号)第24条及び第25条に規定する代位をいう。)に係る支払及び回収
将来の裁量給付
保険金の額を確定するために必要となるその他の支出
保険契約に係る将来キャッシュ・フローの計算に当たっては、次の各号に掲げるものは考慮しないものとする。
保険契約に関連する再保険契約及び特別目的会社から生じるもの
保険約款貸付に関するもの
未収保険料(基準日以前に支払期日が到来する未収保険料を資産計上している場合に限る。)
第2項第2号に掲げる直接経費及び間接経費は、保険契約に関連する全ての経費を含めるものとし、保険会社等が将来にわたって事業活動を継続する前提で見積もるものとする。
第2項第5号に掲げる将来の裁量給付は、契約者配当、保証利率の引上げに伴う保険金等の増額部分その他の非保証金額の全てを含めるものとし、将来期待される経験、次款第2目に規定する調整後スプレッドを考慮したイールド・カーブを含む経済シナリオ及び保険契約者の合理的な期待と整合的なものとする。
保険契約に係る将来キャッシュ・フローの計算に当たっては、次の各号に掲げるものを反映するものとする。
将来の人口動態、法律、医療、技術、社会及び経済の発展
インフレーション
保証とオプション
保険契約者行動
前項第2号に掲げるインフレーションは、物価連動国債(物価連動国債の取扱いに関する省令(平成16年財務省令第7号)第1条に規定する物価連動国債をいう。)から算出されるブレーク・イーブン・インフレ率、消費者物価指数その他これに類する指標及びUFRに反映されている期待インフレ率(別表4に定める通貨に応じたUFRに反映されている期待インフレ率をいう。)等を参照のうえ、次款第1目に規定するイールド・カーブと整合的な手法に基づき算出されるものとする。
第6項第3号に掲げる保証とオプションは、契約者配当を含む保険契約の対象となるリスクに関連する全ての支払を考慮するものとし、次款第2目に規定する調整後スプレッドを考慮したイールド・カーブを含む経済シナリオと整合的に評価するものとする。
第6項第4号に掲げる保険契約者行動は、将来期待される保険契約者の行動を表していると認められる範囲で、可能な限り適切な統計情報及び経験上の証拠に基づくものとし、次款第2目に規定する調整後スプレッドを考慮したイールド・カーブを含む経済シナリオと整合的なものとする。
保険契約に係る将来キャッシュ・フローの計算に当たっては、次の各号に掲げる要件の全てを満たすマネジメント・アクションを考慮することができる。この場合において、マネジメント・アクションの実施に必要な期間並びに当該マネジメント・アクションの実施により生じる全ての追加的な費用及び関連する保険契約者行動の変化を考慮するものとする。
客観的、現実的かつ検証可能であること。
保険契約者に対する保険会社等の義務及び保険会社等に適用される法令(外国の法令を含む。第125条及び第156条を除き、以下同じ。)に矛盾しないこと。
基準日時点の保険会社等の事業慣行及び事業戦略に整合的であること(ただし、保険会社等が事業慣行又は事業戦略を変更することを実証できる場合は、この限りでない。)。
特定の状況下で実行されることが合理的に予想可能であること。