金融庁告示第74号(令和7年7月23日)


第1条

この告示(第34号に掲げる用語にあっては、第82条及び第154条第2項を除く。)において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

金融商品等 金融商品、契約その他これらに類するものをいう。

投資信託等 投資信託その他これに類する商品をいう。

証券化商品 主に金融資産を原資産とし、当該原資産のキャッシュ・フローを裏付けとして発行される商品をいう。

再証券化商品 証券化商品のうち、原資産に証券化商品を含むものをいう。

国債等 国債及び中央政府により保証された債券をいう。

適格格付機関 金融庁長官が別に定める格付機関をいう。

格付区分 適格格付機関の格付に対応するものとして金融庁長官が別に定める区分をいう。

子会社等 保険会社(保険業法(平成7年法律第105号。以下「法」という。)第2条第2項に規定する保険会社をいう。以下同じ。)にあっては法第110条第2項に規定する子会社等を、保険持株会社(法第2条第16項に規定する保険持株会社をいう。以下同じ。)にあっては法第271条の24第1項に規定する子会社等をいう。

連結子会社等 連結ベース(第18号に規定する連結ベースをいう。次号及び第11号において同じ。)の計算において、第6条及び第8条に規定する連結の範囲に含まれる子会社等及び議決権のない投資スキーム(多くの投資者から集めた資金により事業運営又は有価証券への投資を行い、その収益を出資者に分配する仕組みであって、出資者が議決権を有しないものをいう。第6条第2項において同じ。への投資をいう。

報告保険会社等 単体ベース(第17号に規定する単体ベースをいう。次号において同じ。)又は連結ベースの計算をする場合における当該計算の報告の主体となる保険会社、外国保険会社等(法第2条第7項に規定する外国保険会社等をいう。以下同じ。)、免許特定法人(法第223条第1項に規定する免許特定法人をいう。以下同じ。)及び保険持株会社をいう。

十一

保険会社等 単体ベースの計算においては報告保険会社等を、連結ベースの計算においては報告保険会社等及び連結子会社等をいう。

十二

特例企業会計基準等適用法人等 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第1条第1項に規定する1和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第1条第1項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準によらずに連結財務諸表規則の定めるところにより連結財務諸表を作成する報告保険会社等をいう。

十三

適格資本 保険業法施行規則(平成8年大蔵省令第5号。以下「規則」という。)第86条第161条第190条第1項及び第210条の11の3の規定に基づき、この告示に定めるところによりその額が計算されるものをいう。

十四

所要資本 規則第87条第162条第190条第2項及び第210条の11の4の規定に基づき、この告示にその額を定めるものをいう。

十五

ソルベンシー・マージン比率 適格資本の額を所要資本の額で除した値をいう。

十六

基準日 ソルベンシー・マージン比率の算出を行う日をいう。

十七

単体ベース 経済価値ベースのバランスシート(第24号に規定する経済価値ベースのバランスシートをいう。次号において同じ。)、適格資本の額、所要資本の額及びこれらの構成要素を算出するに当たって、保険会社、外国保険会社等又は免許特定法人を計算の対象とすることをいう。

十八

連結ベース 経済価値ベースのバランスシート、適格資本の額、所要資本の額及びこれらの構成要素を算出するに当たって、保険会社及びその子会社等又は保険持株会社及びその子会社等を計算の対象とすることをいう。

十九

貸借対照表 保険会社の規則第59条に規定する中間業務報告書に含まれる中間貸借対照表及び業務報告書に含まれる貸借対照表並びに外国保険会社等及び免許特定法人の規則第143条に規定する中間業務報告書に含まれる日本における保険業の中間貸借対照表及び業務報告書に含まれる日本における保険業の貸借対照表をいう。

二十

連結貸借対照表 特例企業会計基準等適用法人等でない保険会社の規則第59条に規定する中間業務報告書に含まれる中間連結財務諸表における中間連結貸借対照表及び業務報告書に含まれる連結財務諸表における連結貸借対照表並びに特例企業会計基準等適用法人等でない保険持株会社の規則第210条の10に規定する中間業務報告書に含まれる中間連結財務諸表における中間連結貸借対照表及び業務報告書に含まれる連結財務諸表における連結貸借対照表をいう。

二十一

連結貸借対照表(連結の範囲等調整後) 連結貸借対照表を基礎として、第2章第2節の規定に基づき、連結の範囲等を調整したものをいう。

二十二

貸借対照表等 貸借対照表及び連結貸借対照表(連結の範囲等調整後)をいう。

二十三

経済価値評価 市場価格に整合的な評価又は市場に整合的な原則、手法及びパラメーターを用いる方法により導かれるキャッシュ・フローの現在価値に基づく評価をいう。

二十四

経済価値ベースのバランスシート 貸借対照表等に対し、第9条の規定に基づく組替え及び第10条の規定に基づく経済価値評価の額への評価替えを行ったもの並びに財政状態計算書(連結の範囲等調整後)(第47号に規定する財政状態計算書(連結の範囲等調整後)をいう。)に対し、第184条の規定を適用して組替え及び評価替えを行ったものをいう。

二十五

規制上の準備金 次のイからホまでに掲げる額の合計額をいう。

危険準備金の額

異常危険準備金(地震保険に関する法律施行規則(昭和41年大蔵省令第35号)第7条第1項に定める危険準備金を含む。)の額

価格変動準備金の額

配当準備金未割当部分(株式会社にあっては、契約者配当準備金のうち、保険契約者に対し契約者配当として割り当てた額を超える部分をいい、相互会社にあっては、社員配当準備金(社員配当準備金繰入額から翌期配当所要額を控除した額を含む。)のうち、社員に対する剰余金の分配として割り当てた額を超える部分をいう。)

連結ベースにあっては、外国の連結子会社等におけるイからニまでに掲げる額に相当する額(貸借対照表等の負債の部に計上されたものであって、外国の当局が当該外国の法令における法第130条第1号又は第271条の28の2第1号に掲げる額に相当する額に算入することを認めたものに限る。)

二十六

特別勘定等 法第118条第1項に規定する特別勘定その他これに類するものをいう。

二十七

UFR 期待実質金利及び期待インフレ率から算出される超長期の短期フォワード・レートをいう。

二十八

LOT 深み、流動性及び透明性のある金融市場において、市場情報が観測可能な最後の年限をいう。

二十九

生命保険契約 法第3条第4項第1号に掲げる保険、同条第5項第1号に掲げる保険のうち再保険であって同条第4項第1号に掲げる保険に係るもの及び同条第5項第1号に掲げる保険のうち保険料又は保険料として収受する金銭を運用することによって得られる収益の全部若しくは一部の金額の払戻しを約した保険契約(当該払戻しに係る部分に限る。)をいう。

三十

損害保険契約 法第3条第5項第1号に掲げる保険(前号、次号又は第32号に該当するものを除く。)及び同項第3号に掲げる保険に係る保険契約並びに同条第6項に規定する保証証券業務による保証をいう。

三十一

生命保険類似の第三分野保険契約 第三分野保険(法第3条第4項第2号若しくは同条第5項第2号に掲げる保険(以下この号において「第三分野の元受保険」という。)又は同項第1号に掲げる保険のうち第三分野の元受保険に係る再保険をいう。以下この条において同じ。)に係る保険契約であって、第3章第2節第2款に規定する現在推計の額の計算又は同章第3節に規定する再保険回収額の計算を罹患及び障害その他これらに類するものの発生率に基づき行っている保険に係る保険契約をいう。

三十二

損害保険類似の第三分野保険契約 第三分野保険に係る保険契約であって、生命保険類似の第三分野保険契約に該当しない保険契約をいう。

三十三

生命保険契約等 生命保険契約及び生命保険類似の第三分野保険契約をいう。

三十四

損害保険契約等 損害保険契約及び損害保険類似の第三分野保険契約をいう。

三十五

生命保険リスク 生命保険契約等における実際の保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険(第37号に該当するものを除く。)をいう。

三十六

損害保険リスク 損害保険契約等における実際の保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険(次号に該当するものを除く。)をいう。

三十七

巨大災害リスク 巨大災害により生命保険契約等及び損害保険契約等における実際の保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険をいう。

三十八

市場リスク 実際の市場変動が通常の予測を超えることにより発生し得る危険(次号に該当するものを除く。)をいう。

三十九

信用リスク 保有する有価証券その他の資産について取引の相手方の債務不履行その他の理由により発生し得る危険をいう。

四十

オペレーショナル・リスク 業務の過程、役職員の活動若しくはシステムが不適切であり、若しくは機能しないこと又は外生的な事象により生じ得る危険(法的リスクを含み、戦略リスク及び風評リスクを除く。)をいう。

四十一

正味現在推計の額 第3章第2節第2款に規定する現在推計の額から同章第3節に規定する再保険回収額を控除したものをいう。

四十二

バリュー・アット・リスク 特定のポジションを一定期間維持すると仮定した場合において、将来の価格等の変動により一定の確率の範囲内で予想される最大の損失額をいう。

四十三

VaR99.5% 保有期間1年、信頼水準片側99.5%のバリュー・アット・リスクをいう。

四十四

子会社化直後の特例手法適用子会社 第177条に規定する子会社化直後の特例手法の適用の対象とした子会社等をいう。

四十五

控除合算手法適用子会社 第179条に規定する控除合算手法の適用対象とした子会社をいう。

四十六

財政状態計算書 特例企業会計基準等適用法人等がその採用する企業会計の基準に従って作成した連結貸借対照表に類するものをいう。

四十七

財政状態計算書(連結の範囲等調整後) 財政状態計算書を基礎として、第183条第2項において準用する第2章第2節の規定に基づき、連結の範囲等を調整したものをいう。


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